値だけ見ると今回の2022年盤CDはけっこう酷いです。しかし1stアルバムは80年代のアルバムと比較すると静かな曲の割合が高いため、前述のとおり聴感上それ程うるさく感じられませんでした。
トラック |
曲名 |
コメント |
1 |
Till You Say You'll Be Mine |
1966年の彼女の最初のシングルです。これまでに何度かCD化されています。 |
2 |
For Ever |
上記1stシングルのB面だった曲、これも既にCDで出ています。 |
3 |
The Biggest Clown |
If Not For You のB面曲。クレジットによるとこれも既にCD化済とのこと。え?いつCD化されたの?全然知らなかったよ。これを聴いてブッタマゲたのは何とステレオバージョン!うーん、これは新鮮。今まではシングルB面をデジタル化したものを聴いてました。 |
4 |
It's So Hard To Say Goodbye |
2ndシングル Love Song のB面だった曲。これは48 ORIGINAL TRACKSやCountry GirlにCD収録されていますね。ただ音圧は上げられています。 |
5 |
Would You Follow Me |
これも 48 ORIGINAL TRACKS にCD収録されていました。その時はステレオ収録されていることに驚きましたが、今回の Would You Follow Me もステレオ収録です。しかも別ミックス!1:46の Would You Follow Me 〜というくだりは、オリジナル・シングルや CRYSTAL LADY、48 ORIGINAL TRACKS にも入っていませんでした。収録時間も約25秒長くなっています。シレッとこういうものを入れてくるんで油断ができません。 |
6 |
Walkin' On Air |
Toomorrow の曲。2014年のCDより少し音圧が上がっています。 |
7 |
Goin' Back |
同上 |
8 |
I Could Never Live Without Your Love |
Toomorrow のシングル曲。初CD化のレア曲です。何故かモノラルですね。ブルース・ウェルシュのプロデュースです。 |
9 |
Roll Like The River |
同上 この Toomorrow シングル2曲は建前上は一応オリジナルマスターテープからのものということになっていますが、恐らくシングル盤を再生した録音からノイズを取り去ったものではないかと思います。Roll Like The River では一部音が割れています。つまり所謂盤起こしではないかと。 |
10 |
Don't Move Away |
これはクリフのCDで既発です。音もあまり変わらないような。日本でシングル発売された時はモノラルでしたが、CDではステレオになっています。 |
11 |
Would You Follow Me (edit) |
これは今までにリリースされていないと表示されていますが、単なるモノラルバージョンなので、オリジナル・シングルや CRYSTAL LADY に収録されています。それともこの11曲目が「代用バージョン」なのでしょうか? |
12 |
The Biggest Clown (alternate version) |
実際の12曲目には未発表曲の Round And Round が入っています。これはマスターテープが見つからなかったのでアセテート盤から起こしたと書かれています。これはジョン・ファーラーの曲ですが、とてもとても甘いメロディーですね。モノラルです。 |
13 |
Would You Follow Me (alternate version) |
実際の13曲目には The Biggest Clown (alternate version) が入っています。これはマスターテープが見つからなかったのでアセテート盤から起こしたと書かれています。これは完全に別テイクで、伴奏はアコースティック・ギターとピアノに目立たないようにベースとドラムスが入っています。ボーカルは2本入っていてきれいにハモっています。 |
14 |
Round and Round |
実際の14曲目には Game Of Love が入っています。これはマスターテープが見つからなかったのでアセテート盤から起こしたと書かれています。作者の Petrina Lordan は元々クリフ&シャドウズ関係の人で、オリビアには Water Under The Bridge (Have You Never Been Mellow に収録)を提供しています。 |
15 |
Game of Love |
実際の15曲目には Would You Follow Me (alternate version)が入っています。アコースティック・ギターのコードストローク主体の本家ジョン・コンゴスに似たシンプルなアレンジです。これは音がけっこう生々しくて、もしかしてこれはオリジナルマスターから?と思ってしまいます。 |
16 |
Unten Am Flus, Der Ohio Heist |
ファンの間では有名な Banks of The Ohio のドイツ語バージョンです。これも既にCD化されていることになっています。マスターテープが残っていたことに驚きですね。 |
17 |
Unten Am Flus, Der Ohio Heist (instrumental) |
上記のインストバージョン。うーん、これを出す意味がわかりません。カラオケ用? |
海外のCDで曲名表示が誤っていることは時々ありますが、今回のCDは残念ながらその点でのみダメでした。でも内容がけっこう深掘りされていてよいです。基本的には1stアルバムの再発なのですが、同時に1stアルバムに至るまでの歴史もまとめています。厳密に言うと、The Shadows の1曲の一声も入れるべきではなかったかと思いますが、これでも十分でしょう。
スペクトログラムの比較も挙げておきます。