■アーティスト:Marvin & Farrar (マーヴィン&ファーラー)
■アルバム名:Marvin & Farrar

管理人の評価:★★★★★

 

■ディスコグラフィー
Marvin & Farrar (1973)
その他コンピレーション盤

 

 

 
基本データ
 

■リリース: 1973年7月
■媒体: LP (EMI /EMA 755)
■外装: 見開きジャケット(内側の写真の上に歌詞が印刷されている)
■プロデュース: マーヴィン&ファーラー(セルフ・プロデュース)
■録音場所: アビー・ロード・スタジオ?
■チャート: チャートインせず

 
曲目
 

Side 1
1. So Hard To Live With (Marvin-Farrar)
2. Music Makes My Day (Farrar)
3. Skin Deep (Marvin-Farrar)
4. If I Rewrote Yesterdays (Marvin-Farrar)
5. Galadriel (Spirit of Starlight) (Marvin-Farrar)

Side 2
1. Love Oh Love (Marvin-Farrar)
2. Help Me Onto Your Wagon (Farrar)
3. Small And Lonely Light (Farrar-Best)
4. You Never Can Tell (Marvin)
5.Nobody Cares (Marvin)
6. Lord How It's Hurting (Marvin-Welch)

 
メンバー
 

ハンク・マーヴィン - ギター、ヴォーカル、ピアノ、メロトロン
ジョン・ファーラー - ギター、ヴォーカル、メロトロン、エレクトリックピアノ、ヴォーカル編曲

Alan Tarney Bass Guitar
Trevor Spencer Drums & Percussion
Brian Bennett Percussion
Richard Hewson Arranged & Conducted orchestra on 'Galadriel' and 'You Never Can Tell'

Tony Clark
Richard Lush Balance engineered the recording & remix
Peter Vince

Olivia Newton-John Played the recorder solo on 'Music Makes My Day'
Bruce Welch sang with us on 'Help Me Onto Your Wagon

 
アルバム内容
 

ブルース・ウェルシュがオリビアとの破局のショックで脱退した後残されたマーヴィン&ファーラーのコンビが発表したアルバム。MWF 関連の中で最も評価が低くマイナーなアルバムである。ハンク・マーヴィン自身が「楽曲の方向性に欠けているものがあった。フランケンシュタインがビーチ・ボーイズに出会ったみたいな作品だよ。」と自嘲気味に語った程で、市場には全くインパクトを与えられなかった。
アルバム自体は前作2枚の流れを踏襲しており、変化と言えば Side 1 の最終曲に Galadriel という長尺曲を持ってきたことと Side 2 の最終曲に Lord How It's Hurting というビーチ・ボーイズ風コーラスの短尺曲を入れたことぐらいである。ただ人数が一人減った分曲全体がこじんまりした印象はある。個々の楽曲のクオリティーは決して下がってはいないし、それどころかより素晴らしいのではないかとすら思う。MWF 関連の中で最も過小評価されているアルバムであろう。
マーヴィンとファーラーの共作が5曲、マーヴィン単独の作曲が2曲、ファーラー単独の作曲が2曲、マーヴィンとウェルシュの共作が1曲、ファーラーとベストの共作が1曲となっており、完全に半々で両者対等の配分になっている。ジョン・ファーラーの実力が巨匠ハンク・マーヴィンに完全に認められた形であり、常に従属的な役割であったブルース・ウェルシュとは大きな違いを見せている。
前作まであったリード・ヴォーカルのクレジットはなくなってしまった。今作で注目すべき点は後にクリフ絡みで大きな役割を演じるターニー&スペンサーのコンビがリズム隊として全面的に参加していることである。ブライアン・ベネットはパーカッションのクレジットにとどまっている。1973年の2月にルクセンブルグで開かれたユーロビジョン・ソング・コンテストの英国代表はクリフ・リチャードであり(何と2度目の代表!)、ジョン・ファーラー、アラン・ターニー、トレヴァー・スペンサー、テリー・ブリトゥンの4人がバッキングとして参加している。またこの4人はユーロビジョンの後揃ってオリビアの3枚目のアルバム "Music Makes My Day" にも参加した。今回はアラン・ホークショーのクレジットがなく、マーヴィン&ファーラー自身がキーボードを弾いている。

1曲目の "So Hard To Live With " は二人の作った楽曲のクオリティーの高さを確認するのに十分な曲で、これをシングルにしても面白かったと思う。2曲目の "Music Makes My Day " は信じられないような美しい曲。マーチンのギターの音色といい、想像を超えたアルペジオといい、生半可なミュージシャンでは到達し得ない高みに達している。全く売れなかったのが不思議であり、残念でもある。リリース直後にオリビア・ニュートン・ジョンカバーしたのも頷ける。3曲目の "Skin Deep" もジョンとハンクのコンビがノリにノっている作品だ。4曲目の "If I Rewrote Yesterdays " も2人の共作だが、ヴォーカルをハンクがやっていることもあり、印象としてはハンクのソロっぽい。前曲の "Skin Deep" がジョン色が強かったのに対し、この曲ではハンク色が強いように思う。曲自体は美しいフォーク・ナンバーである。5曲目の "Galadriel" は今までの MWF になかったタイプの曲で、当時イギリスで人気だったプログレっぽい大作風の長尺曲である。MWF の基本的な作風にはそぐわない異質な曲で、歌劇の雰囲気を持っている。MWF のリリースから10年後の1983年4月ににクリフ・リチャードがシングル B 面でカバーしている。翌月にはこの曲を収録したアルバム "Dressed For The Occasion" もリリースされた。クリフのバージョンは The London Philharmonic Orchestra との共演でまさに歌劇風のアレンジを押し進めた形になっている。後発だけあってオリジナルをさらに発展させよりこなれた力強い作品に仕上がっているのはさすがクリフといったところか。

Side 2 の1曲目は "Love Oh Love" でジョン・ファーラーのファルセットヴォイスが美しい。なだれ込むようなドラムスも印象的である。2曲目の "Help Me Onto Your Wagon " はジョン・ファーラーの素晴らしさが炸裂する曲。気取りのない自然体のフォークソングでヴォーカル・ハーモニーも素晴らしい。3曲目の "Small And Lonely Light " はオリビアがセカンドアルバムで取り上げていた可憐な曲でハンクがリード・ヴォーカルを取っている。これはやはりいい曲だ。1975年に何故か思い出したようにシングルカットされた。4曲目の "You Never Can Tell " はハンク個人の作品でヴォーカルもハンクが取っている。これは元々ハンクがクリフに提供した曲で、クリフは69年10月にこの曲を録音し、70年5月にシングル "Goodbye Sam, Hello Samantha" の B 面としてリリースした。5曲目の "Nobody Cares " もハンクの作品でヴォーカルもハンク。この曲は "Galadriel" と同様ちょっとアルバムから浮いている。ピアノが目立つがこのピアノをジョン・ファーラーが弾いているのだろうか?最後は "Lord How It's Hurting " というヴォーカルの多重録音による作品。ビーチ・ボーイズ風のコーラスが印象的だが、歌詞はナンセンスだったりする。

全体としてはブルースが抜けてちょっと寂しい雰囲気も漂っているアルバムであるが、楽曲のクオリティーは非常に高い。ハンクとジョンの二人で自由気ままに作ってみましたという感じだが、前作までの流れを踏襲しながら随所に新たな試みを入れている。ファルセットを強調したコーラス、シリアスな曲調、メロトロンの使用、歌劇風の長尺曲等々。

 
アルバム・リリース
 

1973年7月 LP: HANK MARVIN & JOHN FARRAR (EMI / EMA 755)
1991年7月 CD: HANK MARVIN & JOHN FARRAR (See For Miles Records/ SEE CD 322)
2007年6月 CD: Marvin & Farrar (Beat Goes On Records/BGOCD 757)

 
シングル・リリース
 
1973年7月 Music Makes My Day /Skin Deep (EMI UK EMI 2044)
1974年4月 Please Mister Please / Song Of Yesterday (EMI UK EMI 2141) ※ブルース・ウェルシュ名義
1975年8月 Small And Lonely Light / Galadriel (Spirit Of Starlight) (EMI UK EMI 2335)
 

 

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