2nd Side1 2nd Side2
PYE/NSPL 28168 (UK ORIGINAL)
 
TOSHIBA EMI/CP21-6073(1989年日本での 再発CD)
 
Festival / D34658 (1998年オーストラリアでの再発CD)
 

 

 

曲目
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私の対訳は直訳スタイルです。
意訳に比べてどうしても日本語的にこなれない部分が出てきますが、少しでも元詩の意味を正確に伝える、という目的でそうしています。
また、元詩の英文もふつうなら*Repeat等とするところをあえて全て書き出しています。これは、英語の苦手な方が曲に合わせて歌詞をそのまま追えるように、との配慮からです。
ある言語を別の言語に100%翻訳することは根本的に不可能(言語というものは、その言語を使う民族の生活・文化と密接に結びついており、英語を使う民族の生活・文化と日本人の生活・文化は異なるため)ですので、ご了承下さい。
また私の歌詞・訳文ともに完璧からは程遠いものです。「ここの箇所おかしいんじゃない?」という場合はぜひメール下さい。
1. Angel Of The Morning/朝焼けの天使
2.Just A Little Too Much/恋の気分 *
3. If We Only Have Love/愛があれば **
4. Winterwood/ウィンターウッド
5. My Old Man's Got A Gun/マイ・オールド・マンズ・ゴット・ア・ガン
6. Changes/チェンジ
7. I'm A Small And Lonely Light/小さな灯 *
8. Why Don't You Write Me/離れてゆく貴方
9. Mary Skeffington/悲しみのメリー・スケフィントン
10. Behind That Locked Door/ビハインド・ザット・ロックド・ドアー
11. What Is Life/ホワット・イズ・ライフ(美しき人生)
12. Everything I Own/涙の想い出
13. Living In Harmony/リヴィング・イン・ハーモニー
14. I Will Touch You/貴方に触れて

 

Guitars: John Farrar & Kevin Peek
Bass: Dave Richmond & Alan Tarney
Drums & Percussion: Brian Bennett & Trevor Spencer
Keyboards: Dave Macrae & Tweed Harris

Engineer: Peter Vince & Richard Lush
String Arrangements: Nick Ingman
Arranged and produced by Bruce Welch and John Farrar
* Arranged by Alan Hawkshaw
** Arranged by Nick Ingman
Photographs by Hipgnosis
A Festival Records International Production

 

■概要
72年10月にリリースされた彼女のセカンド・アルバムです。イギリス・ヨーロッパで好評を博した前作からちょうど一年後の発表となります。リリースの直前の9月にはクリフ・リチャードの日本公演にバック・コーラス・ガールとして参加しています。またこの年の春にはブルース・ウェルシュとの婚約を解消したりして個人的には色々激動の時を送っていたようです。シャドウズの別形態グループである Marvin, Welch & Farrar が商業的に成功せず、オリビアとの破局もあってブルースはグループを抜けてしまいます。そんな訳でこのオリビアのセカンド・アルバムはブルース・ウェルシュがプロデュースした最後の作品となりました。録音自体は71年終わり〜72年初めから少しずつ行われたようです。
基本的には前作を踏襲した作りとなっており、収録曲が2曲増えています。このアルバムはやや地味でファンの間でもそれほど注目されていませんが、フォークとポップスを融合させた嫌味のないスタイルで万人に愛される内容だと思います。大部分が当時最新のメジャーな曲で固められた前作に比べて、この2作目ではマイナーな曲も取り上げられました。1作目の成功で自信を付けたこともあるのでしょう。特に自作の "Changes" を収録したことは注目に値すると思います。
なお、このアルバムはアメリカではリリースされませんでした。同じ写真を使った別内容のコンピレーション・アルバムが "Let Me Be There" としてリリースされました。写真も含めたアートワークはヒプノシスが担当しています。

■参加ミュージシャン
オーストラリア系のミュージシャンが新たに起用されています。
Tweed Harris はオーストラリアでそこそこ成功した The Groove のメンバーで、バンドが71年初頭に解散したためクリフのバック・バンドに参加したりしていたようです。そのつながりで参加したのでしょうか?
Dave Macrae は Matching Mole なんかにも参加していたカンタベリー系のミュージシャンで音楽的にはオリビアとの接点が薄いのですが、60年代に Festival Records のアレンジャーとして働いていたこともあったようなのでそのつながりなんでしょうか?
Tarney & Spencer はクリフ絡みではお馴染みのミュージシャンです。このアルバムにも "Living In Harmony" を提供しています。
Kevin Peek は元々オーストラリアで Tarney & Spencer と一緒にバンドを組んでいた仲間であり、旧知の間柄です。
こうしたオーストラリア系のミュージシャンの採用はやはりプロデューサーのジョン・ファーラーの意向があったのではないかと思われます。

■曲目
1曲目の Angel of The Morning はアメリカの作曲家チップ・テイラーの曲で、メリリー・ラッシュ(全米7位 1968)とジュース・ニュートン(全米4位 1981)がカバーヒットさせています。2曲目の Just A Little Too Much はアメリカのロカビリー歌手ジョニー・バーネットの曲でリッキー・ネルソンのヒット(全米9位 1959)で知られる曲です。オリビアのバージョンはかなりポップにアレンジされており、アナログ・テープによる音揺れがそのまま収録されています。ここまではアメリカの過去のヒット曲のカバーです。3曲目は If We Only Have Love で、これはフランスのヒット曲である "Quand on n'a que l'amour" (あなたが愛だけ持っている時)の英語版で、ベルギー人シンガーのジャック・ブレルが作曲してヒットさせたものをエリック・ブローとモート・シューマンがフランス語から英語に翻訳したものです。オリジナルはオペラ風の曲ですが、ジョン・ファーラーとブルース・ウェルシュの素晴らしいアレンジで別物になっています。4曲目はドン・マクリーンの Winterwood です。この曲も前曲同様オリジナルから大きく離れたアレンジで、素晴らしい出来です。ジョン・ファーラーとブルース・ウェルシュの2人は本当に楽曲の魅力を引き出す天才だと思います。美しいマーチンのアコースティック・ギター、可憐なオリビアのボーカル、本当に素晴らしい!5曲目は My Old Man's Got A Gun です。これはジョン・ファーラーの曲で、ロックっぽい曲ですが、伴奏はなぜかアコースティック・ギターなので変な感じがします。6曲目はオリビアの自作曲 Changes です。オリビアはこの曲に思い入れがあるようで、多くの編集アルバムやシングルB面に収録されています。7曲目は I'm A Small And Lonely Light でジョン・ファーラーとピーター・ベストの共作です。ジョン・ファーラーは翌年の Marvin & Farrar のアルバムでこの曲を取り上げており、シングルカットもしています。8曲目の Why Don't You Write Me はポール・サイモンの作曲で、サイモン&ガーファンクルの1970年のアルバム Bridge Over Troubled Water に入っていた曲です。オリビアの初期の楽曲では珍しくドラムスがけっこう暴れている曲です。彼女のボーカルもポップスよりロック寄りで、このアルバムからよりエモーショナルな歌い方が目立つようになりました。9曲目は Mary Skeffington です。これはイギリス人シンガーであるジェリー・ラファティの曲で、1971年の Can I Have My Money Back? に入っていた曲です。マニアックな選曲ですね。10曲目は Behind That Locked Door でジョージ・ハリスンの曲です。大御所のせいか似たアレンジですね。11曲目は What Is Life? で2曲続けてジョージ・ハリスンの曲です。多分ジョージのファンなのでしょう。12曲目はデヴィッド・ゲイツの Everything I Own です。これは1972年1月にリリースされたブレッドの Baby I'm-a Want You に収録されていた曲なので即行でカバーしたことになります。恐らくデヴィッド・ゲイツも彼女のお気に入りだったのでしょう。オリビアのバージョンは力強いアレンジになっています。13曲目は Living In Harmony で、これは恩師クリフのカバーです。作曲はアラン・ターニーとトレバー・スペンサーです。最後の14曲目は I Will Touch You で、スティーヴ・ケイガンの作曲です。この曲の背景はよくわかりません。翌年に黒人シンガーのダニー・ウィリアムスがシングルカットしています。全く異なるアレンジです。オリビアのバージョンはキーボードがとても神秘的で、ベースラインが印象的です。とてもいい曲だと思います。

■シングル・カット
1972年2月 "What Is Life/I'm A Small And Lonely Light" → 3月に全英チャートで16位
1972年8月 "Just A Little Too Much//Changes" → 残念ながらチャートインせず
1972年11月 "Take Me Home Country Roads/Sail Into Tomorrow" →全英チャートで1973年1月に15位

商業面では一作目よりやや後退したかな、って感じです。

■リリース
このアルバムも人気も需要ともにあまりないようで、再発は少ないです。

リリース
タイトル
媒体
発売国
レーベル
カタログ番号
備考
1972.10 Olivia LP UK PYE NSPL 28168  
1973 Olivia Newton-John 2LP AUS Interfusion L 45377, 45378 編集盤
1989.11 Olivia CD JPN 東芝EMI CP21-6073 1998年8月に再発
1992.9 Twin Best Now 2CD JPN 東芝EMI TOCP-7321, 7322 編集盤
1993 Olivia Newton-John 2CD AUS Festival Records D 45377, 45378 編集盤
1998 Olivia CD AUS Festival Records D 34658 後に Warner music Australia から再発された

■音質
オリジナルの LP を基準とすると CD はどれも似ていませんが、強いて言うなら90年前後に日本から出た東芝 EMI の CD が近くておすすめです。オーストラリアから98年に出た再発 CD は一般にはかなり評判がよかったですが、曲の冒頭からサーというヒスノイズが目立つマスタリングで個人的には好きになれません。かなり極端なイコライジングと音圧上げがなされており、小型のスピーカーでそれほどボリュームを上げずに聴く分にはよいのかな、とは思いますが、オリジナル・マスターを所有する会社が制作したリマスターであることを考えるとかなり残念な音です。

 

 

 

 

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