注意:9.xまでの Mac OS とWindows との連係を前提としています。

Macintosh と Windows マシンの間のデータの受け渡しについて

私は Mac OS 9.1 をメインの OS に使っていますが、所有するマシンの中で一番強力なのが Windows マシンなので(メインのMac の3倍以上の処理速度)そのマシンも併用して使っています。
2台を同時に併用して使っていると、片側のデータをもう片方のマシンでも使いたくなることがよくあります。
この問題はFAQというべきものですが、私なりの解決法法を提示してみたいと思います。
以下に理屈から説明しますが、「能書きはどうでもいい、方法をはよ出さんかい!」という方はこちらへどうぞ。→方法のページ

■何が違うのか?

まず何が同じで何が違うのかを把握しなければなりません。
どちらもコンピュータですから、不揮発性媒体(ハードディスク等)からプログラムをメモリに読み込んで CPU が実行する、という構造は変わりません。(→分からない方はこちらへどうぞ)


・プログラムには互換性がない
最大の違いは CPU です。Mac は PowerPC 系(IBM か Motorola 製)の CPU を採用しており、Windows は x86系(Intel 製もしくはその互換の AMD 等の会社の CPU )を採用しています。
PowerPC と x86系 CPU は理解できるマシン語が異なり、全く互換性がありません。
従って PowerPC にとってプログラム(命令)として認識できるものは x86系 CPU では命令として認識されません。
その逆も同じです。
つまりプログラムはその CPU 専用のものを使う必要があり、互換性がないということです。

・OS による相違点-ファイル・システム
OS には認識できるディスク構造(いわゆる[ファイル・システム])とそうでないものがあります。
Mac のファイル・システムは HFS と HFS+ です。DOS 形式(FAT12)のフロッピーも読み書きできます。
FAT でフォーマットされたものはアイコンに PC と表示され一目で分かるようになっています。(下図)
Windows のファイル・システムは FAT と NTFS です。標準状態では Mac の HFS や HFS+ を読み書きできません。
←Mac OS 7.6.1までの DOS 形式フロッピーのアイコン
←Mac OS8.1の DOS 形式フロッピーのアイコン
←Mac OS9.1の DOS 形式フロッピーのアイコン

ファイルそのものも構造が異なります。
よく知られているように、Mac のファイルには[リソース・フォーク]と呼ばれる部分があり、画像のサムネイルやどのアプリケーションで開けるかという情報等が収められています。
[リソース・フォーク]の他にも Mac OS 独自の不可視のファイルがあり、Wndows に持ってくると見ることができます。
例えば[Adobe Photoshop LE-J](3.0.5J)に付属しているサンプルフォルダの中の[スキャン画像 2]という画像ファイルをMac 標準の PICT 形式に変換して WINDOWS に持って行くとどうなるか実験してみましょう。

←リソース・フォーク11,233バイト+データ・フォーク598,230バイトで計609,463バイト

Mac のファイル名は全角15文字、半角31文字までの制限があり、WINDOWS のロングファイル名(全角127文字、半角255文字)対応に比べるとはるかに少ないです。DOS は半角8文字までの制限があります。
[スキャン画像 2]というファイル名は全角6文字+半角2文字で拡張子なしですから、これだけでも Windows 環境では問題です。

漢字TALK7.1.2
   
ファイル名
容量
説明
!XL2
598,230
画像ファイルの実体(文字化けしている)
FINDER.DAT
(不可視属性)
368
ボリューム名やファイル名、TYPEとCREATOR等
DESKTOP
(不可視属性)
0
???
!XL2
11,233
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
縮小された画像や作成アプリケーション、アイコン・データ等が収められている
(文字化けしている)
DESKTOP
146,902
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
漢字TALK7.5
〜Mac OS7.6.1
   
ファイル名
容量
説明
スキャン.PCX
598,230
画像ファイルの実体(文字化けしている)
FINDER.DAT
(不可視属性)
368
ボリューム名やファイル名、TYPEとCREATOR等
DESKTOP
(不可視属性)
0
???
スキャン.PCX
11,233
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
縮小された画像や作成アプリケーション、アイコン・データ等が収められている
(文字化けしている)
DESKTOP
146,902
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
Mac OS 8.0
   
ファイル名
容量
説明
スキャン.PCX
598,230
画像ファイルの実体(文字化けしている)
FINDER.DAT
(不可視属性)
604
ボリューム名やファイル名、TYPEとCREATOR等
DESKTOP
(不可視属性)
0
???
!OPENFOL.DER
(不可視属性)
0
フロッピーを開いたままイジェクトするとできる
スキャン.PCX
11,233
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
縮小された画像や作成アプリケーション、アイコン・データ等が収められている
(文字化けしている)
DESKTOP
146,944
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
!OPENFOL.DER
(不可視属性)
286
フロッピーを開いたままイジェクトするとできる
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
Mac OS 8.1
   
ファイル名
容量
説明
スキャン画像 2
598,230
画像ファイルの実体
FINDER.DAT
(不可視属性)
368
ボリューム名やファイル名、TYPEとCREATOR等
Desktop
(不可視属性)
0
???
OpenFolderListDF_
(不可視属性)
0
フロッピーを開いたままイジェクトするとできる
スキャ~1
11,233
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
縮小された画像や作成アプリケーション、アイコン・データ等が収められている
(文字化けしている)
DESKTOP
146,944
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
Mac OS 8.5.1
   
ファイル名
容量
説明
スキャン画像 2
598,230
画像ファイルの実体
FINDER.DAT
(不可視属性)
368
ボリューム名やファイル名、TYPEとCREATOR等
Desktop
(不可視属性)
0
???
OpenFolderListDF_
(不可視属性)
0
フロッピーを開いたままイジェクトするとできる
スキャ~1
11,233
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
縮小された画像や作成アプリケーション、アイコン・データ等が収められている
(文字化けしている)
DESKTOP
155,744
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
Mac OS 8.6
   
ファイル名
容量
説明
スキャン画像 2
598,230
画像ファイルの実体
FINDER.DAT
(不可視属性)
460
ボリューム名やファイル名、TYPEとCREATOR等
Desktop
(不可視属性)
0
???
OpenFolderListDF_
(不可視属性)
0
フロッピーを開いたままイジェクトするとできる
スキャ~1
11,233
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
縮小された画像や作成アプリケーション、アイコン・データ等が収められている
(文字化けしている)
DESKTOP
286
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
OPENFO~1
422
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
Mac OS 9.1
   
ファイル名
容量
説明
スキャン画像 2
598,230
画像ファイルの実体
FINDER.DAT
(不可視属性)
604
ボリューム名やファイル名、TYPEとCREATOR等
Desktop
(不可視属性)
0
???
スキャ~1
11,233
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
縮小された画像や作成アプリケーション、アイコン・データ等が収められている
(文字化けしている)
DESKTOP
143
[RESOURCE.FRK]フォルダ(不可視属性)
OpenFolderListDF_
(不可視属性)
0
[TheVolumeSettingsFolder]フォルダ
FINDER.DAT
(不可視属性)
184
[TheVolumeSettingsFolder]フォルダ
OPENFO~1
422
[TheVolumeSettingsFolder]-[RESOURCE.FRK]フォルダ

 


OS による相違点-ファイル名
Mac のファイル名には基本的に拡張子がありません。(ただし意識的に付ける人は多いですが・・・)
Windows では拡張子でアプリケーションとの関連付けを行っていますが、Mac では前述のリソース・フォークの中にその情報を格納しています。
これらの情報は TYPE と CREATOR と呼ばれ、それぞれ4バイトの英数字で定義されています。
TYPE はそのファイルがアプリケーションなのか JPEG ファイルなのかそれともシステム関連のファイルなのかといったファイルの種別を定義し、CREATOR はダブルクリックした時にどのアプリケーションで開くかを定義します。
従って、Windows では拡張子 .bmp ファイルをダブルクリックすると常に BMP に関連付けされたアプリケーションが起動するのに対し、Mac ではそれぞれの BMP ファイルが作られたアプリケーションで開きます。
例えば、前述の果物の画像を8種類のアプリケーションで保存してみましょう。

左がフォルダを開いた状態で、8つのファイルは全て同じ PICT ファイルです。ファイル名はダブルクリックした時に起動するアプリケーションを付けています。
右はそれぞれの TYPE と CREATOR を表示したものです。
つまり同じ PICT ファイルでも CREATOR 情報が異なると開くアプリケーションも違ってくる、という訳です。

OS による相違点-改行コード
コンピュータのファイルには
テキスト・ファイルというものがあります。
文字データのみのファイルのことで、OS に関係なく読むことができる標準的な形式です。
HTML ファイルや config.sys 、ポストスクリプト・ファイル等は実際にはテキスト・ファイルです。
OS に依存せずに読み書きできるのですが、改行コードに違いがあるので注意が必要です。

□改行コード

Windows→ CR + LF
Mac OS→ CR
UNIX→ LF

CR とは Carriage Return の略
LF とは Line Feed の略

例をあげてみましょう。
Windows のテキスト・ファイルを Mac に持って行くと以下のように見えます。(OS9.1)

赤丸印の箇所で LF が文字化けしていますが、改行はきちんと反映しているので読めなくはありません。
Mac のテキスト・エディタは改行コードの変換に対応しているものが多いので、Win → Mac への移動はそれほど問題ではありません。
ちなみに Windows では以下のように見えます。

次に Mac で作ったテキスト・ファイルを Windows に持って行った場合を見てみましょう。
Mac 標準のテキスト・ビューワー兼エディタは SimpleText というソフトで、これはスタイル付きテキストも扱えるため、Windows で言うワードパッドに相当します。
ただし、Simpletext はちょっと特殊なソフトで動画・音声データの再生や3DMF ファイル(マウスのドラッグ操作でオブジェクトの方向を360度変えることが可能なファイル)や静止画画像を開いたりもでき、文章に音声を貼り付けたり文章を読み上げたりすることもできます。一般にはアプリケーションの説明文書を開くテキスト・ビューワーとしての使われ方が多いと思われます。
下が Simpletext で文章を開いたところです。

これはスタイル付きテキストなので、純粋なテキスト・ファイルに変換します。↓

これを Windows に持って行ってメモ帳で開いてみます。↓

機種依存文字が化けるのは当然としても、改行が全く反映されず非常に読みづらいです。
Mac 側で改行コードを変換してから渡しましょう。


通信プロトコルの違い
プロトコルとはデータの通信に関する手順やデータ・フォーマットや送受信のタイミング等の取り決めのことです。
もし私が何らかの事情でインドの人と連絡を取り合う必要ができた場合、しかもそのやりとりの結果が国益に影響する、というような重要な仕事となった場合、私は相手の言語を学ばなければならないのはもちろんのこと、インド国内の事情も把握しなければならないでしょう。
全く見ず知らずの人と何か共同作業をしようとするなら事前の打ち合わせは不可欠です。
コンピュータもこれとよく似ています。

Windows は NetBEUI というプロトコルが標準で、Mac は Apple Talk というプロトコルが標準です。
両者には全く互換性がありません。
しかし両 OS とも TCP/IP というプロトコルに対応しています。
従って Windows と Mac の間で通信するには、3つの方法があります。

1. Mac に NetBEUI を組み込む
2. Windows に Apple Talk を組み込む
3. 双方の共通語である TCP/IP を使う

どの方法でも通信できますが、TCP/IP が無難でしょう。


何を送るのか?
Mac と Windows で共通して使えるファイル形式
せっかく通信できてもやりとりするファイルに互換性がなければ何もできません。
汎用的な形式が無難ですので把握しておきましょう。

画像・・・JPEG か GIF 形式にします。写真には JPEG を使います。TIFF でも OK です。
文書・・・短文でスタイル付きでなくてもよければメール本文で十分ですが、どうしてもスタイルを付けたいなら相手の了解を取って(嫌う人が多いので)HTML メールにするか、内容が多い場合フォルダごと HTML と画像を圧縮して送る、という手もあります。用途によっては PDF 形式にしたり(これまた嫌う人が多いので要確認)、 WORD の.doc を送る(相手が MS-WORD を持っているかを要確認)という方法もあります。
音声・・・MP3 が無難ですが、WAVE 形式や AIFF も汎用的と言えるかもしれません。
表・・・EXCEL は今や汎用的と言ってよいほど普及していますが、CSV 形式なら相手がどんな表計算ソフトを使っていようが安心です。

他にも Windows と Mac で同じソフト使っている場合は、バージョンにもよりますがそのアプリのネイティブ形式で読み書きできる場合があります。
例:Adobe Photoshop、Illustrator 等

 

次に実際の方法について述べます。→次ページへ

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